いまだにコンパクトカメラや一眼カメラが次々に販売されています。コンパクトカメラの主流は「気軽に静止画」から「気軽に動画」に移行し、一眼カメラは「本格動画対応」に移行してきました。現状のボリューム帯はコンパクトカメラが10万円前後、一眼カメラが30~50万円となり、一眼カメラは5年くらいでメイン価格帯が10万円以上上昇しました。
それだけ動画撮影が一般化し、写真での思い出が動画での思い出に変化してきたとも言えます。

今回はそんな動画撮影機材でメジャーな製品を中心に、屋外用カメラについての最新情報から用途別オススメをご紹介します。

屋外で固定撮影する場合の注意点

<画角と背景>
youtube撮影やイベント撮影などで、屋外撮影での被写体背景にあるロケーションの色味は、動画の魅力のひとつだと思います。人物の顔やバストアップだけにフォーカスして背景が単色というのは寂しかったりします。季節感のわかる自然の背景などを十分に取り込むことで、被写体に爽やかさや柔らかさなどの演出効果が期待できます。そんな時はロケーション全体と人物にズームできるレンズがあると便利です。カメラ固定が可能であれば、手ブレ防止機能などは必要ありません。

画角は「風景+人物」や「ロケーション+物」など演出効果を加味して撮影すると思います。遠くの景色を望遠レンズでズームする撮影は少ないと思います。被写体とカメラの距離が5m未満であれば、広角レンズ15-35mmや16-35mmなどが一番多く使用されていると思います。人物を足先から頭頂部まで全体を撮影する機会が多いと思いますので、まずは「広角レンズ」を選ぶことをオススメします。

カメラの脚<三脚>

しっかりとした脚と被写体の音声は動画撮影の重要なポイントです。
カメラで脚と言えば三脚。多くの三脚が販売されており迷うところですが、個人的に気をつけているポイントを記載しておきます。

三脚購入のポイント

・軽い
 重いと邪魔に感じてきて手持ち撮影がメインになってきます。
・洗える
 安価製品は洗うとサビが発生したりするので注意してください。
・固い
 撮影時に脚が貧弱だと映像が風で揺れたりします。
・複数所有をオススメ
 高価な1個よりタイプの違うものを複数所有するほうが便利です。目線の高さの三脚と、足元高さの三脚を準備してて、すぐにカメラを移し替えるなど、シーンが複数すぐに変更できます。

  

手持ち移動にはジンバル必須

移動しながらの撮影は上下左右に揺れてしまうのが悩み、そこでぜひ活用したいのがジンバル。カメラを水平に保ってくれる便利な自撮り棒です。
 

屋外では外部マイク必須

足元から頭まで入る画角では、カメラ内蔵マイクでは距離が遠く安定した音声が録音できなかったりする場合があるかもしれません。
風切り音が多かったり、市街地の反響音などが録音されたりと、欲しい音声や臨場感のある瞬間の音などが上手く録音できなかったら、動画の価値が下がったりしてしまいます。それを補う為に外部マイクを接続して、欲しい音はしっかりと録音してください。動画撮影は映像+音です。

マイク購入のポイント

・カメラ内蔵マイクは室内用と考える
 屋外撮影は必ず外部マイクが必須と考えてください。5000円くらいからありますので。
・カメラとの距離でワイヤレスも有効
 ワイヤレスマイクは遅延が心配なんてのは昔の話です。積極的にワイヤレスを利用して楽してください。
・マイクに本気なら3万円以上
 カメラのメーカーが必ず外部マイクを販売していますので、そちらをご検討ください。
<3~5mカメラから離れるならワイヤレスマイク>

<1~2mカメラから離れるくらいの入門機>

<カメラの前後に人が居る時用>背面者音声はやや低い+ピンマイク接続可能
 
<音声品質優先の安価な製品>ローカット強め

カメラの標準マイクを使用する場合は、事前に音声を確認してどの距離までなら離れて撮影できるかをレンズ毎に記録しておくことが重要となります。

最近発売されたRODE社のワイヤレスマイクは、2名分のマイクを1受信機でキャッチでき、そのままカメラにインできるので大変便利で格安だと思います。遅延もほぼ無く多くの方が利用している製品です。
ガンマイクは各社様々な用途に使える製品が販売されています。上記で紹介しているマイクは、とりあえずカメラの前で話すのをしっかりと録音したい場合には安くて性能が良いのでオススメです。
外部マイクは5,000円くらいからあります。有るのと無いのでは全く違いますので、動画撮影には必須と思ってください。

屋外で移動しながら撮影する場合の注意点

移動しながらの撮影は「揺れ」との戦いです。横への揺れは我慢できる範囲が広いですが、縦揺れに対してはかなり気を使うことになります。人間の目と脳の自動手ブレ補正は超高性能で、歩いているくらいの揺れでは、目が疲れたり気分が歩くなったりすることはほぼありません。これをカメラに置き換えると、レンズの手ブレ補正機能とカラメボディ内手ブレ補正機能の2つとなります。
この手ブレ補正で有名なカメラと言えば、SONY(旧ミノルタ)の手ブレ補正機能付きカメラです。α(アルファ)シリーズは、この機能でカメラBIG3になれたと言っても過言ではない性能だと思います。
さらに、人物撮影で一番大事なピント(オートフォーカス)機能が高性能過ぎて、この機能が欲しいから他社から買い換える人も多くいました。

移動しながらの撮影ではカメラ本体の重さも気になってきます。軽量コンパクトが理想ですが、色々とこだわってくるとカメラのパーツが多くなってきます。自分の理想の1台を見つけられたら良いのですが、現実は妥協と追加購入の連続です。

SONYのαシリーズサイト https://www.sony.jp/ichigan/

動画撮影に特化した本格一眼カメラ

クオリティの高い動画を撮影したい方は、SONYαシリーズを選ぶのも良いと思います。しかし!高いです!いきなり50万円コースです。それなりに勇気が必要だと思います。

レンズ交換可能なコンパクトカメラ

さすがに50万円はいきなり怖いという方は、レンズ交換式のコンパクトカメラから始めるのも有りです。SONY α6000シリーズはコンパクトカメラでレンズ交換式です。しかも手ブレ補正機能もしっかりとしているので、画質にはこだわりたいという方にはぴったりです。初心者フルセットで15万円弱。このセットは初心者から中級者の機器としても遜色ないと思います。

アクションカムの王道

<揺れ防止最優先で画角固定>
youtubeの1080Pで投稿し、とにかく揺れを軽減したい!ということであれば、GoPro HERO 10 です。前作のHERO9から解像度が向上し、いままで色潰れしていたところが細かく描写されるようになりました。GoPro8以前を使用している方は画質向上に驚くと思います。今9を使用している人も10の画質を見ると絶対に買い替えたいと思います。
アクションカムというジャンルの王者としてGoProは長年君臨しています。スポーツなど激しい動きのある映像を揺れ軽減機能と防水機能で固定の画角で撮影できるのが大きな特徴です。動く人物や物に固定して移動しながらの撮影でも良し、特定の場所に固定して時間の流れを撮影するのも良し、コンパクトで日中の屋外撮影を気軽にしたい方には絶対的相性の良いカメラです。

6万円くらいで始められるのもとても良心的価格と思います。

個人的には上記のRODE社マイクと組み合わせるだけで、個人Vlogでは十分上質な映像の出来上がりだと思います。

VLOGの入門機

<揺れはそこそこで画質優先>
少しはズームできて、オートフォーカスが簡単なのが良いという方には、SONYのVLOGCAM ZV-1 10万円 先日発売されたZV-E10 8万円この2つがまずは入門機として良いと思います。ほとんどのシーンを合格レベルで撮影できると思います。
難点は自分が被写体だった時に距離が必要ということです。いわゆる自撮りをした場合にカメラが近い・画角が狭いと感じることが出てきます。腕を伸ばして撮影すると60~80cm先にカメラがある状態ですが、できたら1mは離したいと感じると思います。ジンバルであと20~30cm距離が取れるとベストです。

 

一眼カメラは高い!中級機の神機

<手ブレ補正も画質も綺麗で価格はおさえたい>
SONY RX100M7 13万円 コンパクトで画質良し!上記のZV-1とZV-E10と数万円の差ですが、ワンランク上で高画質・手ブレ防止機能がさらに向上しています。一眼カメラに引けを取らない画質です。
この製品は画角×揺れ防止に関して申し分ない上質な映像が13万円以上の価値として撮影できると思っています。
しかしこのカメラもあと10~20cmジンバルなどで離して撮影できると、より表現力がアップすると思います。

屋外撮影用照明の選び方

撮影してると気がつくこと、それは夕方以降、やばい!暗くなってきた! 避けられない時間経過とともに訪れる光不足問題。せっかくの屋外での楽しい撮影が暗くて映像が解りづらい状態になってしまうこともしばしばです。カメラを向けてる方向に少しでも明かりが欲しい!と思う時が必ず来ます。そんな時には照明が必要です。

Vlog用であれば、3m未満の距離の撮影で明かりが欲しいことがほとんどだと思います。2m未満で人物バストアップ撮影や1m未満の物撮りなども多いと思います。そんな時には画角より少し広めに光があれば助かると思います。

照明の選ぶコツ

<バッテリーや電池駆動>
・付替え可能バッテリーや電池式は長時間撮影向き
・ライト本体充電式は駆動時間を把握
・100v電源が常にある場所での撮影なら気にしなくてよし

<光の色温度>
・光の色を温かみのある黄色~オレンジ色の3000kくらいにするか、パキっと見せる5000kくらいにするか

<光の面積>
・物撮り・人物1名バストアップ 距離1m前後 LED50~80灯必要
・人物2名 距離2m前後 LED100灯必要 横広タイプ推奨

<防水機能>
・撮影補助者が居ない場合は検討したほうが良い
・雨でも撮影することが多いなら必須

カメラに組み合わせるパーツ

LED簡易照明を購入することがほとんどだと思います。まずはカメラの上部やサイド部に取り付けられるようにホットシューの増設パーツがあると便利です。
 

カメラ用LED照明

<小型ライト>
1名に1灯なイメージで横方向に連結していくと広く明かりが稼げます。予備のことを考え複数確保しておくと便利です。
 

<物撮り用横広>
横に広いタイプでこれに薄い紙などをつけ、光を拡散することで物撮りが楽になります。

<3m程度の距離>
数名への照明には最低限このくらいが必要です。できたら2灯あると便利です。
 

<防水>
防水性能のあるカメラと併用することが条件となります。アクションカムと併用するのがオススメです。
 

スマホも立派な撮影機材

気軽に撮影できるスマートホンも立派な撮影用カメラだと思っています。もうすぐ発売されるiPhone13シリーズではシネマッティックモード撮影が強化されオートフォーカス機能にAIが強力に補助してくれる機能も追加搭載され、映画も撮影できちゃうの!?なんて勢いです。SONYのエクスペリアは数年前から動画撮影モードに力を入れていてスマートホンとは思えないような素敵な映像を撮影できると評判です。

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