パソコンで何でも調べられる時代になったと言われるが、核心部分は絶対に公表していないのが世の中の常識。
どうしても教えたらマズイ事も世の中たくさんある。例えば「門外不出の秘伝のタレ」や「職人技術」だったり、日本には昔からそれを伝える「口伝」がある。
文字が無い時代、伝えるのは「言葉」そして「絵」となり「文字」となったと言われている。

<口伝でなければならない>

口伝=くでん

宮崎県高千穂地方から熊本県阿蘇地方(約50km圏内)は、古事記にも出てくる「天孫降臨」の場所と言われている神聖なエリアとして、古事記ファンや最近は「御朱印」ファンの間では人気のスポットとなっている。高千穂地方は海岸から少し離れているが、小高い山や丘の上に集落のある環境で、晴れた日には太平洋まで見える九州の観光スポット。特に高千穂峡は凛とした空気感で、昔はひっそりとしたエリアだったんだろうと推測できる。
地名も古事記に出てきそうな日本の素敵な名前がたくさんあるので、ぜひ調べてみてほしい。

このように環境が良い場所は、昔から戦の場所となってしまうのが世の常。神武天皇の兄ミケヌノミコトがこの場所で「鬼八」を退治するという日本神話がある。鬼八という男が悪さをしていて、鬼八を退治してお姫様を助けるという内容。これは書物として残っている。

なぜ残っているのか?それは勝者だからである、勝者が歴史となるのが現代も昔も変わらない。では気になるのが敗者の目線

 

鬼八は悪人だったのか?

 

口伝で残っているのはこうである。

 

鬼八は、心優しい口数少ない人物で、そんな大らかな人柄にひかれた奥さんがとびきりの美女。その美女を見かけたミケヌノミコトが、「超可愛い子みつけた~」となり、人妻と知ってどうしたらいいか考えた結果、鬼八を悪者にしてしまい殺害して奪うこととなる。勝者から残る歴史では、「村人に災いをもたらした鬼八を退治した」となっているが、九州地方は今も昔も台風が必ず通る道。特に宮崎県は太平洋からの高波による被害が今でもある。疫病や自然災害などは毎年あったのではないか?それを鬼八の責任にしてしまい殺害されてしまったのではないのか? 旦那様を大和の国の偉い人に殺害された奥様は、自ら命を絶つという。。。ここまでが、口伝で伝わっている。

いまでいうと「美女と野獣」のようなイメージではないだろうか?

 

 

今ではこの「口伝」の話までもネットで見れる時代となったことが果たして良かったのか?もしかしたら敗者の口伝が史実だったのではないのか?謎は多いが今でも口伝で伝わっていることだけは間違いない。

 

 

最初に記載した「門外不出秘伝のタレ」や、これは他人に絶対に教えてはいけないという秘密事項などは誰でも一度は聞いたことがあると思う。多くの場合は利益や生活に直結する大事な事案だと思う。企業なら当然社外秘書類など山のように存在するはず。そういった大切な事柄はやはり「口伝」で次の世代に受け継がれるものだと思う。

 

 

紀元前660年の建国からもうすぐ2678年目を迎える日本、その日本人のDNAには、大切なもの・守らないといけないこと に対する愛情や情熱は、他の国の人にはわからない独自の文化だと思う。日本人は何を考えているのかわからないと、外国人はよく言うがまさにここなのではないだろうか?いくら親友とはいえ、「言えないから察してくれ」で、日本人は伝わることがあると思う。これは相手の気持ちや過去の経験を考慮して「察する」能力を持っているからできる日本独自の伝え方でもある。

 

 

そして本当に伝えなければならないことは、口伝で伝えてきたのが日本人ではないだろうか?
史実として重要なことであれば検証する必要があるが、もはや「伝説」となったことは、逆にそのまま「察する」ことも重要だろう。秘伝のタレを解析したところで一体どうなるのか?そこにある「美味い」という事実が、不味いに変わるわけでもない。
代々必ず受け継いできた話を、途切れないように努力していけば、日本は「和」を守れるのではないだろうか。

 

 

口伝こそ、そこに本当の「史実」が隠されているかもしれない。

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